前回、びまん性軸索損傷の症状について、
書いていきました。
今回はびまん性軸索損傷の予後とリハビリについて、
書いていきます。
びまん性軸索損傷の予後は?
びまん性軸索損傷の予後は、
昏睡状態の持続時間に比例します。
まず、昏睡状態が比較的短かった場合、
びまん性軸索損傷がリハビリで数年内に改善される割合は、
約8割と言われています。
それに対し、初期の昏睡状態が長いと、
後遺症が残りやすいようです。
一般的に、事故などで軸索に損傷を受けてから、
24時間以内に意識の回復がなく、
脳幹の障害が認められる場合は、
意識障害などの後遺症が、高確率で残ってしまうようです。
びまん性軸索損傷のリハビリ
先程も書きましたが、びまん性軸索損傷が、
基本的にリハビリで数年内に改善される割合は、
約8割と言われています。
びまん性軸索損傷のリハビリは、
頭部外傷のリハビリテーションと同様の措置が取られます。
簡単に言うと、
意識状態や全身状態の改善、安定、
さらに、二次障害の予防などが行われます。
では「一体どういったことをやるのか?」というと。
感覚刺激の入力の他に、
- ベッド上での姿勢
- 固定装具を用いた体の位置設定
- 筋や関節ストレッチによる二次障害の予防
などを行っていきます。
できれば、初期の時点で、
患者さんの全体の障害を正確に把握。
そして、
「日常生活を安定して送るために、何が問題となるのか?」
を検討することをしていきます。
理由として、頭部外傷では、
運動麻痺や感覚障害は、
比較的見えやすい変化なので、分かるのですが。
頭部外傷により、注意力、記憶力の障害といった、
「目に見えない障害」が隠れていることも、少なくないからです。
びまん性軸索損傷で記憶障害が出ている場合は、
高次脳機能障害を患ってるため、完治は難しいです。
しかし、リハビリ次第では、
記憶障害の大部分が改善されます。
なので、あまりネガティブに捉えず、
「リハビリ次第で大分回復する」と、
考えた方が良いでしょう。
最後に、リハビリによる回復の早さは、
患者さんの性格によっても左右されるようです。
もちろん、ポジティブな方が早期回復しているのは、
当然のことです。
びまん性軸索損傷になった時のことを引きずっていては、
治す意欲も低下しますし、
リハビリに真摯に向き合うこともしないでしょう。
数年内に社会復帰出来ると考えれば、
意外と早いものです。
ぜひ、諦めずにリハビリを続けていきましょう。
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